番外編:犬の里親をしました
2018年 08月 04日
不動産とは関係ないのですが、ヒューストンの生活として特別編です。
一週間経って、一度クリニックに行き、必要な予防接種を再度して、念のためノミ用の薬とハートウォームの薬をもらい、チェックアップも問題なく、予定通り、二週間後の8/2にコロラドに行く事になりました。コロラドの保護団体からも連絡がきて、スクラッフィーの特徴や写真、何を学んだかなどの情報を送るようにと言われたので、親切丁寧に(笑)ながーいメールを送りました。
バンは6台あり、50匹ほどの犬や猫たちが、コロラドに渡ります。最後のバンへ行く道には両脇にケージに入った犬たちが沢山おり、さっきまで能天気にオシッコひっかけていたスクラッフィーも状況を察して、突然歩くのを止めました。それでも、引き返せないので、指定されたバンに連れて行き、バンを運転するお兄さんと一緒にスクラッフィーの写真を撮ってもらい、スクラッフィーはバンの中のクレートに入れられました。 私が入って来ない事に少し困惑を得たみたいですが、暫くスクラッフィーを見ながら、小さな声で、”元気でね”と日本語で言って、お別れをしました。
今回初めて犬のフォスター(里親)をしました。
ちょっと長くなりますが、よろしかったらお付き合いください。
私は、12年ほど前に、シェルターにいたチワワとダックスフントのミックスの犬(LUCKY)を引き取り、その後5年ほど前に、ある借家人がガラクタのゴミと共にガレージに捨て行ったコギーミックスの犬(コロ)を引き取りました。 去年末にラッキーは突然のヘルニアのような脊髄の痛みが出て、病院でステロイドやレーザー治療などもしましたが、二週間ほどであっという間に去ってしまいました。
前々から、犬のレスキュ―団体には興味があり、寄付などはしていたのですが、実際に里親をするとなると、その犬の性格や体調、ノミなどの問題、今いるコロとの相性そして、責任と色々考えてしまい、なかなか行動まではいかなかったのですが、ラッキーがこの世を去ってしまい、ラッキーの供養の代わりとして思い切って里親になってみようと行動に出ました。
あまり知られていない事ですが、ヒューストンは全米の中でも捨て犬、捨て猫の数が多い市で、そのホームレス動物の数は年の中では最悪とも言われています。これは無責任なペットの飼い主が興味本位でペットを飼い、去勢手術などもしないで、何かの事情で捨てていく、もしくは無責任なブリーダーなどがむやみに動物の数を増やして、抱えきれなくなり、処分する、また最悪のパターンは、犬をドッグファイトという犬と犬を戦わせて賭けをするという凶悪な遊びに使っている人がいるという事情が背後にあります。ヒューストンでも数百との保護団体がありますが、シェルターなども毎日捨て犬捨て猫、時には捨てうさぎ、捨て馬などが相次いで、受け付けられてない状況であり、その為、引き取りてがなかなか見つからない動物は、殺処分されています。その数は一日数百ともいわれています。
様々なヒューストンの動物保護の団体が、それらの問題を解決するために、色々と動いていますが、私が加入したのは、RESCUED PET MOVEMENTという団体です。
この団体は、ペットの飼い主を新たに探す団体ではなく、BARCというヒューストンのシェルターに連れてこられた動物たちが殺処分のリストに入ったものを、保護して、
ボランティアたちが、自分の家で里親を短期間し、その後、コロラドやカナダなどの動物保護団体のところまで搬送をする団体です。 コロラドなどは、ペットを飼いたい要求が高いそうで、要求が高いところに搬送し、そのエリアにある動物保護団体が、新たに里親を探し、引き取り手が見つかるまで面倒をみるという、州をまたいだ、連携サポートでなりたっている団体です。 この団体のおかげで、BARCのシェルターでは殺処分の割合を80%減らしたともいわれています。
里親(フォスター)になる人は、この団体に申し込みをして、団体が審査をして審査をパスした後に、BARCにいる保護された犬や猫たちから、里親ができるペットを選んで、二週間から三週間ほど里親をします。 この団体ではクリニックなどもあり、薬や餌なども無料で提供してくれますし、保護ペットが病気になった時も無料でサポートをしてくれます。 ボランティアに登録した後はフェースブックのボランティアのグループペイジの中で、引き取り手を探しているペットたちの情報が出てくるので、自分が名乗り出れば、そのペットをBARCに引き取りに行き、里親は始まります。
私は、その日の朝、仕事に出る前にフェースブックを見ていて、一匹の犬を見つけました。少し怖がっているようで、シェルターでも寄ってこないというコメントが載っていました。中型犬なので、私の狭い家でも大丈夫だと思い、思い切って、”私フォスターできますが、朝仕事でシェルターに引き取りに行けないのです。また、初心者でクレート(ケージ)もなく、何をしたら良いかもイマイチ分かりません”というメッセージを送ったら、直ぐに団体のボランティアの一人メリージェーンさんが、代わりにシェルターに行って引き取ってきてあげるので、仕事が終わったら自宅に引き取りにくれば良いと、またクレートも、自分のがあるから、貸してあげるとの事でした。彼らとは一度も会った事もなく、全くの他人です。
そんなこんなで突然里親になる事を決め、仕事に行き、仕事が終わってから、着替えて、犬を預かってくれた方の家に行き、犬を引き取り、クレートを貸してもらい、何をしたら良いか聞いたところ、この犬は病気などはないから、何もする必要はないとの事で、その犬を車に乗せて帰りました。
シェルターから、スクラッフィーの体重やその他対処された薬などの情報、年齢、どうして保護されたのかなど記載されているカードを貰いました。スクラッフィーは、
STRAY(野良犬)という事で、年齢推定4歳。病気はハートウォームが少しあり。ハートウォームは蚊から伝染される病気で、薬を常時してればかかりませんし、軽いものであれば、ハートウォームの薬で対処できます。
シェルターから引き取ってくれたマリージェーンさんが、”とっても良い子よ、うちのフォスター犬と私の犬と仲良く遊んでいたし。でも、ちょっと臭いから、早く体を洗ってあげるといいわ”という事で、家に連れて帰ってから、スクラッフィーを洗いました。 ノミの死体がポロポロと落ちてきました。
このまま、ノミが増えちゃったら、コロにも移って家の中も大変な事になると思い、ボランティアの人にメールを送ったら、私のアドバイザーになってくれたロシェルさんが、”なぜかわからないけれど、DAWNという食器洗剤で洗うと、ノミは落ちる”というので、慌ててスーパーに行き、DAWNを購入、再度スクラッフィーを洗いました。 そういえば、ラッキーもノミがついて大変なことになった事があったし、コロも引き取った時体中にノミと、ハートウォームもあったんだという事を思い出しました。シェルターにいたり、野良犬になったりすると、この手の事は避けられません。
綺麗になったスクラッフィーですが、うちのコロは、どうも気に入らないようで、近くに来て遊ぼうとすると唸るのと、野良犬でしたから、そこらへんにマーキングをして、家中におしっこを飛ばすので、スクラッフィーは、可愛そうだけれど、クレートに入れて一日過ごしてもらいました。 でも、次の日はかわいそうになり、家の玄関の所にクレートを置き、そして犬ゲートを置いて、彼が自由に動き回れるようにして、オシッコパットの紙もおきました。 そのエリアでは何故か、彼は一度も粗相はせず、寝るときはクレートに入って静かに寝ていました。 リードには最後まで慣れず、引っ張りまくりだったのですが、それ以外は、お手とか、お座り、伏せなどは英語で直ぐに学ぶ事ができましたし、数日したら、ゲートを自分で開けるようになり、夜二階で私たちが寝ようとすると、いつの間にか二階にあがってきているような事もありました。
一週間経っても、コロはスクラッフィーを受け入れないので、二匹はゲートを隔てての生活でしたが、散歩は二匹一緒に行きました。引き取ったときは骨が見えるくらい痩せていて、後頭部が少し薄くて、オッサンみたいなスクラッフィーだったのですが、一週間経つと、体重は1.5キロほど増えて、頭の毛も生えてきました。
毎日すごい恰好で寝るのが笑える犬でした。(ただし、これは自分の寝相の悪さと似て余計笑えました)
最後の一週間は、エネルギー溢れるスクラッフィーの為に、久しぶりにコロと一緒にドッグパークに行き、疲れ切るまで他の犬と走らせました。餌もよく食べ、よく遊び、そしてお手をすると、GOOD BOYと撫でてもらえるので、私の顔をみれば、お座りをして、自動的にお手をするようになりました。
相変わらずコロとは遊びませんでしたが、コロはちょっと気になってる模様でした。
それでも、最後の数日間はゲートからスクラッフィーを出して、リビングで私を挟んで二匹が寝れるようにすると、二匹は大人しく過ごすので、私はこんな格好でフロアに座り、自分のひざのところにコンピューターをもってきて、仕事をしていました。最初はノミやら、家中にオシッコ発射したり、リードに慣れなくて、振り回されたりしましたが、毎日こうやってお世話をしていると、愛着がわくものです。最後の夜は寂しさが増して、ああ、このまま引き取りたいと何度思った事か。
そしてやってきた当日の朝、二匹一緒に最後のお散歩をして、レスキューグループのドロップオフの場所に連れて行きました。最後の写真は二匹とても仲良く見えるのがミソです。
引き取り所では、その場で車を停める事ができないので、近くの教会の駐車場に車を停めて、一緒に最後の距離を歩きました。スクラッフィーは全く分かっていないので、いつものようにふらふらと色んな所にオシッコのマーキングをして歩き、ドロップオフの場所につきました。スクラッフィーにタグが付けられて、クリニックの人が最後チェックをして、スクラッフィーの写真を撮り、指定されたバンに連れて行きました。
初めての里親でしたが、ボランティアの人たちやフォスターの人たち、団体の責任者などの手厚いサポートと、励ましと、アドバイスなどもあり、無事に二週間の里親を終える事ができました。 スクラッフィーがいない家に戻るのは寂しく、暫くこの気持ちは残ると思いますが、何より、殺処分される犬を一匹救えた事が嬉しい事でしたし、スクラッフィーが、コロラドの大自然で、フォスター家族か、新しい家族と幸せに暮らせるという事を思い描がいて、気持ちを安心させようと思っています。
私にとっては、去年のハリケーンでの自宅の浸水、彼の両親宅の居候生活、長い家の修復(95%完了)そして年末の愛犬の突然の病気と看病、そして愛犬を見送りという沢山の出来事があり、気持ちが沈むことが多かったのは事実です。 でも、このようなボランティアなどを通じて、自分の犬や猫など動物を救いたいという情熱を活かせる事ができたのは自分に元気に明るく生きる勇気をくれました。
ヒューストンにいらっしゃる方は持ち家などでないと、このようなフォスターなどのボランティアはできないかもしれませんが、フォスターなどができなくても、このような団体では、犬たちをシェルターから、フォスター宅に届ける、シェルターから病院に連れて行くなどのボランティアもあります。また、今日みたいなコロラド輸送の日は、ボランティアでお手伝いする事もできます。
勿論、ヒューストンには、ペットの救助以外にも沢山のボランティア団体があって、自分の時間のある時を使ったボランティアなども沢山あり、その団体を通じて、同じ目的で誰かの役に立ちたいという素晴らしい人たちと出会う事もできます。
by houstonrealtor
| 2018-08-04 03:20
| ヒューストンペット事情