アメリカ非居住者が不動産を売却するときに知っておくべきFIRPTAとは
2025年 06月 16日
**Foreign Investment in Real Property Tax Act(外国人不動産投資税法)**の略で、
アメリカ国外居住者(=外国人)がアメリカの不動産を売却した場合に課される源泉徴収制度です。

🔍 なぜFIRPTAがあるのか?
アメリカに住んでいない外国人が不動産を売却して利益を得ても、アメリカ国外に出てしまえば課税が難しくなるため、**事前に売却金額の一部を源泉徴収(税金として一時的に預かる)**ことで、米国政府は税の回収を確実にすることを目的としています。
🏠 FIRPTAの基本ルール
■ 適用対象者
**アメリカ非居住者(外国人)**で、
アメリカの不動産(住宅、土地、商業物件など)を売却または譲渡する人
■ 源泉徴収の内容
**通常は売却金額の15%**を、買主またはタイトル会社がIRS(米国歳入庁)に送金します
これは「売却利益」ではなく「売却金額」に対しての15%です
例:売却価格 $500,000 → $75,000 を源泉徴収
🧾 税金の清算
FIRPTAで引かれた15%が最終的な税金額とは限りません。
実際の売却利益に対する税額を確定申告で計算し、以下のような対応になります:
実際の税額が15%未満だった場合 → IRSに還付請求ができます
実際の税額が15%以上だった場合 → 追加納税が必要
✋ FIRPTAの免除・軽減制度もある
状況によってはFIRPTAが免除または軽減される場合もあります:
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 売却金額が$300,000以下で、買主が主な居住用に使う場合 | 源泉徴収免除される場合がある(条件付き) |
| 売主がITIN(納税者番号)を取得し、申請書類を出す | 軽減措置や還付の手続きが可能 |
| 売却前に「Withholding Certificate(源泉徴収軽減証明)」をIRSに申請 | 実際の税額に基づいた減額処理が可能(時間がかかる) |
📌 買主や仲介エージェントの責任
FIRPTAは売主のための制度ですが、実際の手続きと納税の責任は:
買主
エスクロー会社(タイトル会社)
エージェント
にも一定の責任があります。もし正しく処理しなかった場合、買主が罰金を課される可能性もあります。
💬 まとめ(海外投資家向け)
アメリカ不動産を売却する外国人投資家には、FIRPTAにより15%の源泉徴収がかかるのが原則
**事前準備(ITIN取得や軽減証明申請)**により、還付や減額が可能
売却前から税務プランを立てることで、キャッシュフローを確保できます
私ども不動産エージェントは、税に関してのアドバイスや税法を説明することは禁じられております。詳細は、税理士やCPA、税金専門の弁護士などにお問い合わせください。

